「…処罰は任せます。彼女の過ちは私の未熟さによるもの…不安にさせてしまったのでしょう。でもこれは許してはいけない行い」


翡翠様まで厳しい言葉だ。こういう時、どうしていいかわからないなあ。…あ。


「じゃあ、私翡翠様の詩が聞きたいです。みなさんの舞も見たい、雨乞いの儀を見せてください。それでチャラにしましょう」


「えっ─そ…それだけでいいの?」


「はい。ずっとどういう詩なのか気になっていたんです」


翡翠様も従者の方も、毒を盛った本人さえ目を丸くしていた。



「本来なら打ち首沙汰だぞ」


「大げさだよ師匠。それにこの毒、死ぬようなものじゃないんでしょ?」


「お前は本当に…」


ごめんと笑って師匠によりかかった。日はもうすっかり沈み、星が瞬き始めている。



「皆、今すぐ儀の準備を。今宵は人の為、彼女の為に詩を捧げましょう」


「はい!」