不安そうな顔の彼女に微笑んだ。大丈夫、信じてください、と。
絶対、うまくやる。大きく息を吸い込んだ。
「─澄水(とすい)を穢すは千の不義、全て帰せ!」
なぞるように呟いた言葉に陣が反応し、地面を裂くように青い線が浮かび上がる。青い線がすべてつながった時、翡翠様の体は光に包まれた。眩しくて目も開けられないほど強い光。これが、解呪の儀。
私の傾ぐ体を支えたのは師匠。ありがとうと口だけ動かし、光の先を固唾をのんで見守った。…どうなったの。
暫く経ってから、ぱきんと音を立てて割れた轡が無造作に地面に転げた。
「姫様っ」
「…どうやらうまくいったようだ」