首を横に振った。青白い手を握っていると、埃を被った師匠が何かを咥え部屋にきた。


「一日中物置を探してようやく見つかった。解呪の陣と文言だ」


紙が擦れる音がして、巻物がさっと開かれる。


「ありがとう師匠…!これが?」


ほこりを払って抱きしめた。描かれていたのは不思議な形の魔法陣のとなりに、ぐにゃぐにゃの文字。…うん、頑張れば読めそうだ。


「解呪の術は、施呪と同じ場所でしか発動しない」


「じゃあ、今すぐ行こう!」


私が言うが早いか師匠は本来の姿に化けた。



「呪いを解くことが出来るのはちょうど日の入りの刻。逢魔が時だな。少し早いが、いくぞ」


私は巻物を手にして、頷いた。


「姫はここで待ってて!!」


忙しなく動く私を見て少し驚いたようだったが、翡翠様は頷いてありがとうと微笑んだ。