「っ悔しい!もう!!絶対解いてやるんだから…!」
躍起になって拳を握ると神崎くんはなんとなく察してくれたのかそれ以上は言及して来ず、飛鳥と秀くんは私がクイズか何かに没頭していると思ったようだった。
その日は、一日中うとうとしながら授業を受け、何回も先生に怒られた。
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「ただいまー」
がちゃ、と部屋を開ける。う、やばい。ふらふらだ。
「あ、おかえりなさい 杏子」
「わ、なんか部屋が綺麗になってる!?」
綺麗どころか、机や窓が輝いてる。
「私にも何かできないかと思って。みんなを集めて掃除したの。せめてものお礼にと思って」
あまりにも純粋な心と笑顔に、胸が潰れそうになる。
でも、彼女の顔は青白い。倒れそうだった。
「翡翠様、あんまり無理をしないでください!」
「…ごめんね。でも貴方こそ─いいえ、そうさせてるのは私ね。本当にごめんなさい」