「昨年の春からな」

「へえ。この子の式神なんでしょう?」


それから白狐と、他愛もない話を続けた。


喋りすぎて、喉が痛くなり「もう喋るな」と言われたけれど、朝になるまで話を続けた。年を取ると話が長引いていけないわ。




春の夜は、短い。


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「おはよ…」


「おはよう。…大丈夫?」


寝不足?と神崎くんに尋ねられ、はっとして数回目を擦る。



「いやいや!大丈夫大丈夫」


笑ったものの、実はあまり眠れなかった。


翡翠様と師匠の会話は夢の中でも聞こえ、呪いが私を急かし高みから笑っているようだった。


お前に解くのはむりだ、と。