明くる日。
私は学校の帰り、蛙さんたちに連れられ森へ行った。
「じきに着きます」
泉はかなり森の奥にあるようで、出口はもうすっかり遠く。足場が悪いが転ばないよう気を付け、歩みを進めていくと、視界の端で光るのが見えた。
「翡翠様。巫女様がお見えです」
白い台座の上ちょこんと座る生き物。透き通った綺麗な色……緑にも見えるし、青にも見える。淡い色をしている。
相変わらず、どうしても蛙には見えないが、本人たちが蛙というんだから蛙なんだろう。
『貴女が杏子…?』
「はい」
翡翠様は、どろんと音を立てて人の姿になった。
姫というだけあり凄く綺麗なひとだ。鮮やかな模様をあしらった着物。髪は、肩でぱっつんと切りそろえられていた。
厚めの前髪の下、覗く大きな瞳と目が合った。