「ただいま」
あれ?師匠と海斗が居ない。どこ行ったんだろ、と家中を探すと、縁側でふたりして居眠りをしていた。
毛布を持ってくるか悩んだが、この暖かさなら必要ないかな。そっとしておこうと思い、部屋まで静かに歩いた。
部屋に入ると、陽気のせいか私も急激な睡魔に襲われた。そのまま私は眠気に抗うことなく畳の上で横になった。
『あぁ、あ─』
『す、けて─助…けて……どうか』
悲痛な声が長いこと耳の中で鳴っていた。
『─助けて!』
ばちっと目を覚ます。呼吸は荒く、背中に汗を掻いていた。
「ゆめ…?だよね?」
誰かに呼ばれていた。助けてと叫ぶ声。あまりに鮮明な声に不安が募り部屋を見渡すと、さきほど水たまりにまで運んだ例の妖が、窓にたくさん張り付いていた。うわあ!大群だとちょっと気持ち悪い!!
「いやああ!?」