「呪いは解く。巻き込んでしまってすまなかったな」 神崎君の腕からしゅるりと包帯がはずれ、肌を蝕んでいた赤黒い模様はたちどころに消えた。 「ありがとう、救ってくれて」 暖かな手が、一瞬、私の頭を優しく撫でた。 「また逢おう」 はらり、一枚花びらと水面に波紋を残し、彼女は消えた。 ------------------------- 「あの妖…消えてしまったの?」