じゃあ彼女は、村の人々からお爺さんの家族を助けようと─


「主っ」

「ああ!」


駄目、この妖本当は…!



「─やめて!!」


斬りかかろうとする神崎くんを止めないと…!私は鬼面の彼女の前に立ちはだかった。


「なっ!?」

灯雅さんが私目掛けてぶつかる。衝撃で体が揺らいだ。


「ば、馬鹿かいあんた!何してるんだ!」


灯雅さんは慌てて私を抱え、神崎君も目を瞠っている。


「聞いてください、この妖は…悪いひとじゃない!」


「邪魔をするな小娘・・・」


般若の面が、泣いているように見えた。


「貴方を私に、助けさせてください!」