「!」 「杏子、札を!」 師匠の声より早く紙を取り出す。守りたい、その思いでいっぱいだった。 札に、青い炎が宿る。 あなたの好きにはさせないんだから─! 三本の指を使って、弾くように妖に放った。 「塞(さい)、縛(ばく)、封(ふう)、遮(しゃ)、鎖(さ)し籠(かご)め!」