「人間風情がこの私を祓うなど、戯れにもならん!」
紅い大量の花びらが私めがけて飛来する。鋭さを持ったそれを喰らえばひとたまりもない─!
「さがれ杏子!」
師匠が炎で弾き返してくれる。
「ほぉ・・・随分と大きな狐だ。式神か。貴様、何故人間なんぞに従う?」
「勘違いしてくれるなよ。私は式神などではない。こいつは私のただの非常食だ」
「えっ…」
思わず頓狂な声が出る。師匠は私に黙れと目配せした。
「美味そうな餓鬼だな。狐、それを私に寄越せ」
「くれてやるものか。この娘は私のものだ」
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