「ああ、まだ生きていたか小僧。とっくにくたばったと思っていた」


跳ね広がった紅い髪。怪しい風に靡く、紅色の着物。


見る度、寒気が走る般若のお面。


「そこの女。見ない顔だ」


般若の面がゆっくりこちらを向く。


頭から生えている鋭い角がぎらりと光った。


「私は巫女。貴方を、祓いに来ました」


はっきり告げ、手元の札を握りしめる。だめだ、空気に呑まれるな。しっかりしろ。