「言霊というのは・・・言の葉、つまりは言葉に宿る霊力だ。お前が強く願い叫べば、言霊はそれを叶える」
ことだま。
「お前、前に妖に襲われたとき、叫んだろう」
「─え、…あ。叫んだかも。とにかく必死だったから『放せ!!』って強く叫んだ気が・・・あ」
そうだ。その直後、私の身体を不思議な光が包んで、妖は文字通り私を"放して"どこかに消え去ったんだ。
「言葉は唯一、人が操れるものだ。ゆえに言霊を操れるのも、人のみ。どこぞの神より賜(たまわ)りし貴重な力、大事に扱え」
な、なんだか難しくてよくわからないけど・・・それってすごいんじゃないか?私が強く願えばその通りになっちゃうんでしょ…?
「わ、私が強く願ったから、言霊が妖をふっ飛ばしたの?」