「それ…」 「ん、でも気のせいかも。矢野先生が取ってくれたからいいんだけど」 あれは一体、何だったんだろうか。不思議だ。 「矢野先生がそれに触れたらなんか一瞬バチッ、ってなったような気がしたんだけど・・・」 それも気のせいかな? 「ごめん、気にしないで!やっぱりなんでもない!」 困った顔をする神崎くんをこれ以上見たくない。多分、気のせいだ。 神崎君が私の名を呼んだような気がしたけど、振り向かず教室から出て行った。