どうしていいかわからない。皆、ちらちらと私たちを見やっている。
「いや、俺もごめん。でも傷口は見られたくないんだ。女々しいかな?」
「そ、んなことない!」
ぶんぶん首を振ると、怒鳴っちゃってごめん、でも平気だからと彼は言葉を落とした。
無神経すぎただろうか。ズーンと自責感に駆られるが、淀んだ空気をどうにかしようと別の話題を引っ張った。
「あの、聞いてもいい?」
「なに?」
「昨日、私の髪に・・・何かつけた?」
「?」
「なんて言ったらいいんだろ…なんか、白い人型みたいなもの」
「─えっ?」
一瞬だけ、彼が動揺したように見えた。