着信は健一くんからだった。

すぐにかけ直すと
もう学校の前に居ると言う連絡だった。

帰る仕度をしようと
個室の鍵に手をやった途端
上からホースで水がばらまかれた!!!

蓮音と心菜だろう笑い声。

どうして、いいのか解らず立ちすくんでしまった。


気力を無くしかけた足で
やっとの事で出てくると。
廊下に座り込んでしまった。

蓮音と心菜は汚い物を見る様にして
笑いながら帰って行った。

それからボーッとし続け
自分には1時間以上たってしまったと感じた。



 急いでカバンを持ち力無く玄関に向かった。
すると今度は靴が無い…。

探す力もない。
裸足で外へ出た。



 健一くんが迎えに来ている事に
ハッと思い出す。

隠れ様としたが遅く、慌てて走って来た。

豪輝も一緒だ。

何故だか安心し、私は気を失ってしまった。



 気付いた時には豪輝の部屋にいた。



健一くん:『大丈夫か?!俺、役立たずだなぁ』


豪輝:『…』


健一くん:『実はさぁ学校の送迎を豪輝に頼まれた!
理恵を守る為と励ます為にね♪』


理恵:『え?どして?』

豪輝は学校での出来事を健一くんに相談していた。

しかし学校でのヒドイ事が増し
必死に悩んでくれていたとこだった。

何故そこまで考えてくれるのか
私には解らない。

でも、とても嬉しい事で頼っても
いいんぢゃないかって思えてきた。

健一くんが新しい靴をプレゼントしてくれ
豪輝は服も貸してくれた。

勝手に私の服を着替えさせる事なく
ベットに寝かせ
ベットを汚してしまったのに。

私にはどん底に落ちそうになった時
こうして助けてくれる人が必ず居る。

そう思えてきて
また元気が取り戻せそうな気がした。


紀利さんの次は健一くんと豪輝。


(今まで人を信じなさすぎたのかもしれない)
とも思う。





 そうして、健一くんは毎日のように送迎してくれ
楽しませてくれた。
豪輝は学校で蓮音をかまい
私に目がいかないようにまでしてくれた。



(何かお返しをしなければ。。)