そして、また1人孤立してしまった。

誰かに甘える事もしたくない。

1人が楽だと思ったから。

でも、何か寂しい。





 そうして始業式が終わり
掃除の時間。

同じ班の蓮音はサボって帰った。
劉樹がサボるのはいつもの事。

少ない人数で、やっと掃除を終え
玄関に向かうと。



紀利さん:『久しぶり〜♪元気してたぁ?』

久々に紀利さんと会った。


そして靴を履きかえ様と下駄箱に目をやると。


!!!…靴の中には学校に持ってきてはダメなはずの
飴のゴミ。カッターの刃先。

誰の仕業かは予想がつく。



ゴミを、とっさにポケットにしまった。

紀利さんは何か感づいた様子。

でも何も聞かず一緒に帰ろうと言ってくれた。




 紀利さんと話すのは楽しい。
自分にとって救世主の様にも思えた。

そんな紀利さんは来週
親の転勤で転校するという。

救世主が居なくなってしまう。
寂しい。


とても優しい言葉をかけてくれた。

でも、前みたく泣きそうになる事はなかった。




 しばらくして歩いて行くとコンビニの前に
蓮音達がタムロしていた。

皆は紀利さんに挨拶をし
紀利さんは挨拶を仕返した。

コンビニに寄ると言っていた紀利さんだが
留まる事なく歩いて行った。

自分にも好都合。



紀利さん:『相田っち、あの場に居たくなかったろ?』

やっぱり解っていたみたいだ。

その後はその話について触れる事なく
家まで送ってくれた。



(紀利さん、ありがとう。)