豪輝:『おまえに関係ねえ』

と冷たい1言。
普通に答えればいいのに。

蓮音は何も言わず杏を引っ張り
居なくなってしまった。



理恵:『なんで、あんな言い方。』


豪輝:『俺、あいつ嫌いだし。
機嫌とりしてどうなる。』

自分だって蓮音の機嫌をとった訳ではない。

豪輝には蓮音の気持ちが見え見えだったみたいだ。

豪輝に言わせると。



豪輝:『所詮、友達なんて裏切る。
人は自分が可愛くて自分を大事にする。
だから他人を大事にする必要もない。』

中学生にしては大人くさい言葉。
でも、もっともだ。
今の自分にはその言葉がよく解る。




 豪輝には暗い過去がある。
姉が友達をかばい亡くなっている。

 イジメられていたクラスメイトを助け
今度はそのイジメられていたコが加わり
姉がイジメられ自殺したと聞いた事がある。


どうして、いい事をしているのに
ヒドイ目に会わなきゃならないのか。
今時代だからこその悲しい出来事。




 1時間たっただろうか

沙羅達がぬいぐるみを持ちながら
うちらの所へ向かってくる。

豪輝はピタっと話をやめた。

いつもの何も喋らないクールな豪輝に戻った。
そして場所を移動する事になったが
特に行くトコもなく。

結局、豪輝の家に行く事になった。



     〜豪輝の部屋〜
 殺風景で男くさい部屋。
でも、とても片付いている。



沙羅:『すごい片付いてるね☆』


豪輝:『うん。』


大悟:『女が片付けてくれてんだろ?』


豪輝:『うん。』

うん。しか言わない豪輝がウケる。
でも彼女が居るんだと関心。

大悟しか知らない話だった。
女子高生の彼女が居るらしい。


会話の成り立たない会話を聞いていると

自分の携帯が鳴った。



理恵:『もしもし。』


兼一:『元気?大丈夫?』

まず仕事が終わっただとか
自分自身の事を話す前に自分の心配。

また会話の成り立たない会話?



理恵:『元気だけど?』


兼一:『ん?何してんの?』


理恵:『友達と遊んでた。』