煙たく酒臭い…
歌もまともに歌わず曲だけが
爆音で流れていた。

(場違いな所へ来てしまった。)



杏:『心菜〜理恵ちん遅いよ〜。
もう先やってたよ』

そこには杏・蓮音・劉樹・博に
クラス替えで仲良くなったのか
大悟[だいご]と豪輝[ごうき]も居る。



堂々とタバコを吸い
缶チューハイを飲んでいる。

先生にバレたら大変だ。

自分は少し嫌な予感がした…。



理恵:『ゴメン!今日、親と用事あったの忘れてた。
帰るわ』


蓮音:『えー!帰るのぉ?寂しいなぁ〜』

絶対ウソだ。


劉樹:『仕方ないべや!なぁ理恵ちゃん』


理恵:『あっ…うん。』


大悟:『俺、送ってっちゃるか?』

酔っ払ってる。

(ダメだ!この場から早く立ち去ろう…)


理恵:『本当ゴメン!また誘ってや〜
したっけ!』



部屋の戸を閉めた途端
駆け出していた。

急な階段を駆け足で降りた。

すると、すぐ後ろから声がした。


『そんな急いでんの?理恵ちゃん。』

博だった。
少しだけ息を切らしている。



博:『部屋出たら、もう姿見えないから焦ったよ!』

(なんで追っ掛けてきたんだ。)


理恵:『ゴメン!実はそんな急いでない。』


博:『だと思った〜理恵ちゃん、あの雰囲気が嫌だったんだろ?』

バレてた。
博は女のように勘がするどくて
面倒見のいい奴だ。



博:『途中まで送ってくよ!』


理恵:『いいよ!戻った方がいいって。』


博:『実際、俺があの場に居たらマズイんだよね↓
今、女が風邪で寝込んでてさ。
バレたら怒られるわ。』

(そうゆう事か。)

どんな彼女だろうが優しい博は
友達との両立に困ってるみたい。



理恵:『ぢゃあ早く見舞いに行った方が…?
博も帰るって言って出てきたの?』


博:『おうよ!だから途中まで
ご一緒させて下さい♪』

そんな博はいい奴だけど。

(大悟と一緒に帰りたかったな…
てゆーか部活は休みだったのかな。)