「夏に吹く涼風で『涼』…か。良い由来だな」 土方さんはそう呟くと、こちらを向いて笑った。 顔に熱を持って行くのが、自分でも分かった。 すると、彼は顔を私の顔に寄せ、髪に触れた。 ドキッ…。 彼のその仕種に胸の鼓動が高鳴る。 「髪に蛍がついてたぞ」 彼の手を見ると、そこには指先に乗ってしまう程小さな蛍だった。