実際の事を言うと、全然大丈夫じゃない。 あまりの恐怖で腰が抜けて、立てない。 土方さんは小さく笑うと、私に手を差し出した。 「ほら、掴まれよ」 「はい?」 私は訳が分からず、頭を捻った。 「腰が抜けて立てないんだろ?だったら、掴まれ。それにいつまでも座ってると、せっかくの浴衣が汚れるぞ」 「は、はい!」 私が手に掴まると、土方さんは私の手を引き、軽々と立たせてくれた。