アタシが正門について20分。

ようやく宏くんは来た。

「宏くん!ここだよ」

アタシは小さい手を、大きくふって、叫んだ。

「おそいよ!」

宏くんは、「乗れ」とだけ言った。

でも、乗れって言ってもらえるなんて新鮮!

チャリの二人乗りは初めてだもん

「アタシの家分かる?」

「・・・」

「なんでしゃべらないの?」

「・・・」

アタシはいっぱい話しかけたけど、返事はない。

死んでるんじゃないかって思うくらい静か。

「生きてる?」

「・・・」

またシカトか・・・