「試合、戻らないの?」

「うん」

「右手、どう?」

「別に」

何を聞いても、そっけない宏くん。

でも、絶対、心を開かしてやる!

アタシは、本日二回目。同じ事を思った。

「宏くんってチャリ通でしょ?家まで送ってってよ」

「ヒマだし、いいけど」

「じゃあ、正門で待ってるから早く来てね」

それだけを言い残して、部室をでた。