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「……うわぁ!」

私は本当に広くて、芝生のきれいな風景をみて驚いた。

私はお母さんに車椅子を押されて、病院の中庭に来た。


「ねぇ、すごくきれいでしょ」


お母さんはふふっと笑って言った。


「うん、すごく、きれい」


それに……


「……すぅーーー…」


「何してるの?」


「へへっ」


記憶のない私には、外の空気は初めてに感じて、大きく空気を吸った。


「きもちいーー…」


「まぁ。千歩のそんな笑顔見るの、いつぶりかしら」


「え?」


「千歩は本当に笑顔が可愛らしいわぁ。お母さんね、いつだって千歩の笑顔を見るだけで、元気出てたんだから」


そんな風にキラキラした表情で、いっているけど記憶のない私には、ただただ虚しいだけだった。


「あ、そうだ!お母さん、飲み物でも買ってくるわね。千歩ここでいれる?」


「うん、全然、大丈夫!」


お母さんは優しく頷いて、飲み物を買いに行った。