「…ありが、とう…おかぁ、さん」
私はお母さんの頬を伝う涙を拭おうとしたけど、力が入らない。
お母さんは優しく首を振った。
「当たり前でしょう。たった一人の可愛い娘なんだから」
嬉しかった。
嬉しすぎて涙が溢れた。
その後、お母さんに聞いた事実。
私のお父さんは私が小学4年生の時、お父さんの浮気が原因で離婚。
それからはお母さんが女手一つで私を育ててくれたって。
本当に苦労したんだろうなと私は思った。
そして私自身の事も聞いた。
私は現在18歳で高校3年生になっているらしい。
中学を卒業した後、近くの高校に進学したって。
だけど、事故が原因でお母さんが退学届けを出したんだって。