その時、ガラガラッと病室のドアが開いた。
顔色の悪い、小柄な女の人が入ってきた。
ゆっくりと近付き、私の顔を覗きこむ。
「……千…歩…?」
驚いたような表情をして、そう言った。
ちほ?それが…私の名前なの??
女の人は、ワンワンと泣き叫びながら私を抱きしめた。
その声に、慌てた様子で看護師が入ってきた。
「三原さん!?どうしたんですか!?」
「千歩が…目を覚ましたんです」
女の人は涙で汚れてしまった顔で、そう呟いた。
看護師はしばらく驚いた顔をして、医者を呼びに病室を飛び出した。
それから私は、すぐに体中を検査された。