暖かい柔らかな日差しが差し込む部屋。
ゆらゆらと揺れているカーテン。
サワサワと心地よいリズムで揺れている樹木の葉。
まるで歌を唄っているかのように、楽しげに話す小鳥たち。
いつもと変わらない朝。
だけど私は、私は違った。
錘のように重い瞼をゆっくりと開いた。
久しぶりに瞳に入ってくる光に、思わず顔をしかめた。
ーここはどこ?私は誰?ー
まるで少女マンガのような台詞が頭に浮かぶ。
………ここは、病院…?
雰囲気で自分が病室にいると分かった。
起き上がろうとしても、身体が全然動かない。
まるでベッドに縛り付けられているみたい。
声も出ない。関節も動かない。
どうして?
上手く回転しない頭を使って、一生懸命思いだそうとした。