「なんだよー。自分の元カレの事すら覚えてないわけ?」
「………元カレ……」
その男の人の言葉を聞いた瞬間、私の脳裏にある光景が浮かんだ。
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「お前なんか、ただのおもちゃだよ」
「調子にのんぢゃねーよ!!」
「死ねよ、オラァ!!」
目の前にいる男の人の睨んでいる顔、私を殴る腕、大声で叫ぶ怖い声。
まるで走馬灯のように私の脳裏を駆け巡った。
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「…いやぁぁぁぁぁぁ!!」
私は自分でも訳がわからない恐怖に襲われ、大声をあげながら車椅子から転げ落ちた。
「…ちほぉっ!!!」
遠くから、お母さんが私の名前を呼んでいる声が聞こえる。
そこで私の意識は途絶えた。