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何もないただどこまでも続く殺風景な世界の中に、誰かが立っている。
私はそこにずっと一人ぼっちだった。
ーあなたはだーれ?ー
私がその人に尋ねても、何にも答えてはくれない。
真っ白な霧のせいで顔がよく見えない。
私の心の中は、いつも孤独感でいっぱいだった。
だから、その人がいることが嬉しかった。
よく見えないけど、なぜか怖くはなかった。
それどころかなんだか温かくて、すごく安心できた。
私はその人に近づこうと、ゆっくり歩いた。
だけど、その人は離れてゆく。
見えないけど、優しく笑っているような気がした。
ーっ、待って!!ー
ーお願い!!私を一人にしないで…ー
だけど、その人はゆっくりと真っ白な世界に消えてしまった……