流石にオカルト好きなだけあるなと私は感心してしまった。

明治初期のキリシタンの流刑の話や、かつての式町が広大な森だった事。

びっくりな事に瑞穂の口からアリンの名前を聞いたときは一瞬全身が硬直してしまった。

瑞穂はもしかすると私以上にこの話に詳しいのかもしれない。

普段勉強していないだけに、そのギャップはもはや別人としか思えなかった。

「んで、その式で教会を作ったのが牧師だったクラフト・レコリダって言う人なわけ、クラフトはあの教会で病気で死んじゃったんだ。その幽霊が今もあの教会に…」

「ちょっと待って…」

私は瑞穂のトークを一言で止めた。

私は聞き逃さなかった。

クラフト・レコリダ…