それは市役所から発行された物ではない。

その発行元は「式町立家庭裁判所」

そして、その書類の名前は…

「改名認定許可書…」

私はその書類の名を呟いた時、嫌な寒気を感じた。

外は雨で冷やされているのに、手の汗の量が尋常じゃない

私は恐る恐るその対象者の名前を調べた。

そして、頭が真っ白になった。

手から滑り落ちる許可書がまるでスローモーションをかけたかのようにひらひらとゆっくり落ちていった。

そのままわたしもその場でへたり込んだ。

「う……そ…」

力が抜け何も考えられなかった。