だが、一番驚いていたのは瑞穂の方だった。
「ほ、本当にあったなんて…」

瑞穂もまた恐怖で声が震えているのかもしれない。

「と、とりあえず教会は見たんだし、今から帰ればまだまだ電車には乗れるけど…」

「教会が…本当にあった。本当にあるんだ。」

あまりにも衝撃的だったのか瑞穂は足が鋤くんで動けなくなってしまったようだ。

やっぱり怖いんだろうなと私は瑞穂のその姿を見て感じたが、それと同時に奇妙な事にも気がついた。

心霊スポットで場数を踏んでいる筈の瑞穂だが、そんな子があると分かっている筈の教会を見てどうしてここまで怖がっているのかが不可解だった。

私はそれとなく瑞穂にそのわけを聞いてみると、瑞穂は驚くべき事を言ってのけた。