ですが不思議な事に、その人は雰囲気だけが怖いだけで、やはり優しい表情をしていました。

-怖れる事はありません。私達悪魔は神族と違い、人間に干渉はしません。-

「干渉しない?どういう意味ですか?」

-…神も悪魔も、本来なら人間のそばに居てはならない存在なのです。我々は我々の世界があり、この生ある世界を干渉するなど滑稽以外の何者でもありません。人間は我々悪魔や神族にとって遥か上位の存在。干渉するなんて畏れ多いのです。-

「人間が神や悪魔よりも上位…?そんな事…」

-人は感情を持ち、人は可能性を持っています。ですが私達悪魔は感情が極度に薄く、そして「可能性」では無く「絶対」の力がある。神族も同等に。「絶対」は限界を越えられない力。可能性は全てを越えられる力…-

「…」

私は彼の言う言葉を全て理解する事は出来ませんでしたが、なんとなくなら理解は出来ました。

「神族と違い、人間に干渉しない…と言いましたね、神は私達人間に干渉していると言う事ですか?」