シスターは座っていた部屋の真ん中の大きめのソファに私を座らせると、急須にお湯を入れお茶を作り、私に差し出した。

「粗茶ですが、どうぞ。」

「ありがとうございます。」

お決まりの一言に無難な返事を返す。

晃二さんが部屋を出てシスターは私のとなり側のソファに座り、話を始めた。

「さて、何から話しましょうか。何か聞きたいことがあれば極力お話し致しますよ。」

「では早速ですが、私をここに預けた人ってどんな人でしたか?」

「…やはりそれですか。」

シスターは難しい顔をしながら視線を私から外し考え込んだ。

「…どうしたんですか?」

「いえ、その…正直あの時の事をどう説明すれば良いのか解りません。とても特殊な出会いでして…。」

「特殊…ですか。」

私はその一言に嫌な予感を感じた。

不可思議な事があの教会ではよく起こり、そしてその教会のあるこの式町にも不可思議な事があったのか。

私はただシスターの言葉を待つしかなかった。

しばらくして、シスターは語り始めた。