気がつくと図書館は閉館時間を迎え、出口の扉は閉まっていた。
彼女は驚き急いでもう一つの出口に向かう。
服装は県内でトップクラスの学力と歴史を誇る県立高校の制服。伸びてきたセミロングの黒髪を無造作に下ろしている。
まだ中に人は残っている。だからもうひとつの出口が閉まるわけがない。頭では理解してるくせに、ここから出られなくなるのではないかという意味のない不安が渦巻く。