「ねぇ…」


レイニィは突然、憂いを帯びた表情で私に声をかけた。


「まだ旅、続けるの?」

「続けるしかない。
私は保安官にどうしても復讐がしたいから。」


木のギシギシいう床を歩き、商品を見ながら私は言った。


しばらく、長い沈黙が続いた。

店の中には床が軋む音が響くばかりであった。



「ねぇアビゲイル、占いとかおまじないとか信じる?」

レイニィは明るく言った。

「ま…まぁ信じないこともないけど。」


私はちょっと恥ずかしくなった。
占いやおまじないなんて、どうせ女の子がするものだから。
旅を続けるうちに、自分が女だからとかいうのもバカらしくなってきた。