いつの間にか夜になっていた。
暖かい藁の上で目覚めた私は、屋根と壁の隙間からさしてくる月明かりを見た。

今日は、満月。

狼が一番危険な状態になるとか聞いたけど、本当にそうなのかなぁ。

私は不安だったけど、小屋の外に出た。

動物は耳がいいから小屋の戸を開けた音を聞かれてないといいけど。

小さく当たりを見回しながら、足音を潜めて進んでいく。

風で揺れた葉の音が、妙に怖かった。