月は今日も昨日と変わらず輝いている。


「お月様。私の願いを聞いて…。私ね」


いつものように自分にしか聞こえない声で言う。




「私を…男の子にして下さい」




私こと、恩村夢(おんむら ゆめ)は戸籍上は女の子。
でも心は人一倍男の子だった。
小学校の時は普通に男子と混ざってサッカーや野球などを休憩中したりしていた。
中学校にあがってそんな事を出来る訳なくて、ずっと一人で本を読んでいた。
それである日私は悟った。
私は'性同一性障害'だってことを。


「男の子になりたいよ…」


それが私の願い。