「ちょ、君!?」
遠くから声が聞こえて思わずビクッとなってしまった
ヤバイ
人がくる
本能的に走り出した
人の目撃されるなんてよくある。
だからこそ、すぐに足が動きだした。
"慣れ"の証拠。
こんな汚い自分を見られたくない
嫌い
嫌い
嫌い
嫌い…
気持ち悪い
汚い自分
そのかすれた他人の血も
涙も
ボサボサの髪も
かすり傷程度の手の甲も
全部、自分のものじゃない
自分じゃない
けれど、自分なんだ
今動いている最低な行為をした手も足も全部
醜い私のものなんだ
ならいっそ、切り離して全部捨ててしまいたかった