豪快に扉が開く。

……っていうか、扉が私の方に来てるッ!


油断していた私は強い力で押された扉を、思い切り顔で受け止めた。

足音がして、ちらりと見たら校舎の方に走っていく、長い髪の女の子が見えた。


「まったく。紅花は……ん?」


涙目で鼻を押さえる私。

それを扉の向こう側から覗き込む誰か。


二人の間に沈黙が流れる。

その誰かがへにゃりと眉をゆがめた。


「あ、はは……あっはははは」


ご丁寧にお腹を押さえながら爆笑してる。

……私は爆笑されてる。


「な、……なんなんですかっ?!」

「いや……わら、う、ッ……ふふ。ちょ、もうちょっと待って。」


彼はそう言っ体を外に出して扉を閉じ、ひとしきり笑う。