比べられる毎日にグッバイ。


大丈夫、私の苦悩の日々はもう終わった。

だってお兄ちゃんも、妹もいない。

誰も私を比較したり、できない――



――「新入生代表挨拶、新入生起立!」


言葉と共に立ち上がる。

新しい制服に身を包み、これから始まる学校生活に胸躍らせる生徒たち。

………勿論、私もその中の一人。


「新入生代表、平田沙羅。」

「はい。」


ピシッとした綺麗な姿勢の女の子が、舞台に上がって校長先生の前に行く。

綺麗に一つに結ってある髪が光を反射している。


「……新入生代表、平田沙羅」


澄んだ声が挨拶を読み上げ終えて、私たちは一礼をして席に着いた。

挨拶をした彼女は外部からきた生徒なんだろう。

中学の時にはいなかったもん。

でも女の子で、しかも内部進学生よりも頭がいいなんて、相当すごいよなぁ。