私は携帯を握りしめ、道の隅にしゃがんでは泣きじゃくっていた。


シーンと静かな空気が流れる。

もう、私の心は真っ暗な暗闇に包まれていた。

涙は止まるどころかさっき我慢していた分が溢れ出してきて顔がくしゃくしゃになるほど涙が流れていた。


もう、望の事なんて何も思い出したくない。

こんな気持ちになるなら、恋なんてしたくなかった。

通りかかる人がちらちらと私を見ていくのがわかった。

でも、もう泣くしかなかった。

どこか遠くから美恵の声がしたように感じた。

トントンと走ってくる音がする。

「・・・・結花・・・・・」

だんだんとその声が大きく聞こえて近づいて来た。