「悲しいよ・・・そんなに大事な人って言われたら・・・・」

我慢していた涙が一気に溢れ出してくる。

切なくて、悲しくて、苦しい気持ちが広がっていき、胸の奥にチクチクと痛みを感じる。

望は切なそうな顔をして俯きながら、
 
「ごめん・・・」


チャリン・・・・。
望はお金をテーブルに置き、顔を横に向けて、席から立ち上がった。

私はとっさに望の腕をぎゅっと強く掴んだ。
望は申し訳ない表情で、

「本当に・・・ごめん・・・」

そう言って、私の握る手を払い、望は立ち去って行った。


私はその姿を呆然と見つめて、ゆっくりとテーブルに顔を当てて涙を流し、鼻を啜っていた。