全員が教室から出ていったのに、机に肘をたて、私はぼうっと窓の外を見つめていた。






外にはひらひらと白い雪が降り続いている。









「まだいたのか?」








声をかけてきたのは結構仲良くしているクラスの男子。彼は驚いたように私を見た。











「どうしたの?」

「そっちこそ」

「私は、ただ外を見てただけ」

「ふーん」










私は今日、もしこの人が教室に戻ってきたら、言おうと思っていたことがあった。










「ねえ、明日受験だね」

「?、あぁ。俺たちにはあんま関係ないけどな」

「ふふ、前期試験は降らなかったけど、後期は降りそうだね」

「そうだな」

「ね、覚えてる?去年も、一昨年も。この時期には決まって雪が降ってる」









彼は私の前の席を引いて、窓に向かい合うように座った。
私は肘をたてて、彼に笑いながら話をふる。
























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