「……どう、し、て?」


どうして、条野さんが私を名前で呼ぶの?


どうして、お兄様はその事を咎めないの?


どうして?どうして?


一体あの場所で何を話していたの?


あの2人の、関係は何?


そして何より……


条野さんと私の関係は……何なの?


「……ッ!」


トクンと、左手に痛みが走り、ふと見ると包帯の下からじわりと血が滲んでいた。


「指輪……」


治療の最中にも外せなかったふたつの指輪。


サイズの微妙に違う、ふたつの指輪。


あの、指輪は。


もしかして。




でも。


「違う……」