翌日……友梨が目を醒ましたのは薬の影響もあり、昼過ぎだった。 空也は一晩中起きていたらしく、酷い顔をして笑っていた。 『友梨は、友梨だよなぁ』 そう言って子供の頃の様にくしゃくしゃと髪を撫でられたが、友梨にはその意味が解らなかった。 ……左手の傷といい、お父様の様子といい、奇妙な朝だ。 私はまた、記憶を一部なくしたのかもしれない。