------狩谷に、空也に。


情けを乞おうとする自分が、酷く惨めに思えた。




友梨が。

友梨さえ。


幸せに。

微笑んでいてくれるなら……

良いのかもしれない。


それで……  




けれど、でも

だからと言って。


そんなに、すぐには。


彼女から光のように受けていた想いを

愛情を

優しさを


諦められる事が、出来ない。  


……出来ない。




一階に降りると、外からの冷気でスゥっと身体が冷やされた。


和音はコートの襟を立てると、そのまま傘も持たずにホールから白い雪が舞い落ちる外へと向かった。




------すると。