------傷つけている。




高校時代。


寂しそうに微笑む横顔が病的に綺麗で、どうしても、ほうっておく事が出来なくて。


未来は自分の為でなく、家と婚約者の為にあると、泣きながら告げる彼女を抱きしめた。




先に惚れたのはオレで。

無意識に誘ったのは君で。



初めてのキスは図書室で、どうしていきなりなんですかと涙で抗議されて。




さんざん誘って、振り回して、逃げて。


掴まえると、泣きそうな顔をして。


上目使いで唇を尖らせるから、その可愛い唇に触れたくてイライラした。




そう。


昔からいつも、オレを惑わすのは君の方だ。