カラオケでのあたしは、ずっと上の空だった。



遊園地に好きな人を誘うことで頭がいっぱい…。



蓮とデート…。



正直…カラオケどころではない。



場を盛り下げないようにするだけで精一杯だった。



一刻でも早く家に帰りたいという感情を抑え続けながら、


頑張って二時間、笑顔でカラオケを耐え抜いた。



駅で二人と別れ、家に着いたのは19時前だった。



家までの帰り道は、遊園地の良い誘い方をずっと考えていた。



蓮がどういう反応を示すか想像し、自然な方法を考える。



でも、家に着く頃には想像は妄想へと変わり、


二人がキスをするという展開まで妄想が行き着いた所で、家に着いた。