「翔太くんっ…!」

「あ?」


あたしは翔太くんの部屋に行き遥のプレゼントのことを聞きに来た。
だけど……。


「……」

「……何か用?」


あたしは硬直し何も言えない。
もし、翔太くんが知っていなかったら「お前あいつにプレゼントなんか買ったんかよ」なんて言われてしまうから。
口を少し開け、拳を作り、冷や汗をかきながら、立ち尽くす。


「えっと…」

「用がないなら帰れば?」

「ある、あるあるある!!!」

「…」


あたしは座って勉強をする翔太くんの目の前に正座した。
そしてジッと翔太くんを見た。
翔太くんは溜め息をついて不機嫌な顔をした。


「…あいつに会いたいってか」

「あっ…えと…」


間違ってはいない。
だけど今はそんな事を聞いている訳じゃない。
あたしが聞きたいのはプレゼントのこと。


だけど。


「…やっぱり、戻るね」


あたしは逃げた。

「……」

翔太くんも何も言わないでまた机に向かった。
あたしは立ち上がり部屋を出た。


「…探さなきゃ…」


あたしは消えるような小さな声で呟き、縁側を走り自室に向かった。




この時。
障子の中で翔太くんは机の引き出しからシルバーの袋を出したんだ。







あたしは知らずに部屋で探し続けた。